日々事業所が支払う費用の中には、その会計処理に頭を悩ますものも多くあります。
その中の1つ、意外に多い従業員のために事業所が負担する費用について見ていきたいと思います。
~従業員に学資資金を支給する場合~
支給した費用が以下の2つの要件を満たしていれば、従業員の給与ではなく事業所の経費として取扱います。
1,従業員の通常の給与に加算して支給されるものであること。
2,次のいずれにも該当しない費用であること。
法人の場合
(1)役員の学資に充てるため支給する費用
(2)役員や使用人と特別の関係がある者の学資に充てるため支給する費用
個人事業者の場合
(1)事業に従事する個人事業者の親族の学資に充てるため支給する費用
※個人事業者と生計を一にする親族を除きます。
(2)使用人と特別の関係がある者の学資に充てるため支給する費用
※事業に従事する個人事業者の親族を含みます。
~創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき~
次に掲げる要件をすべて満たしていれば、給与として課税しなくてもよいことになっていますが、
記念品の支給や旅行や観劇への招待費用の負担に代えて現金、商品券などを支給する場合には、
その全額が給与として課税されます。
また、本人が自由に記念品を選択できる場合にも、その記念品の価額が給与として課税されます。
1,創業記念などの記念品
(1)支給する記念品が社会一般的にみて記念品としてふさわしいものであること。
(2)記念品の処分見込価額による評価額が11,000円(税込)以下であること。
(3)一定期間ごとに行う行事で支給をするものは、おおむね5年以上の間隔で支給するものであること。
2,永年勤続者に支給する記念品など
(1)その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること。
(2)勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること。
(3)同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること。
~食事を支給したとき~
役員や使用人に支給する食事は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば給与として課税されません。
1,役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
2,次の金額が1か月当たり3,850円(税込)以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
特殊な給与の取扱いは次回に続きます。